1年を通して様々なダメージを塗装は受けますが、車の塗装が最も大きなダメージを受けやすい季節は花粉と黄砂の舞う2~5月です。この季節のお手入れさえしっかり行えば長期的に車の健全な塗装状態を保つことが可能です。上記の原因の他にも、酸性雨やPM2.5など複合的な要素が相まって塗装面にダメージを及ぼすことが考えられます。塗装に与えるダメージにはあらゆる種類や駐車環境によっても様々なケースが考えられますが、塗装を保護する手段としてカーポートの設置やボディカバー保管、カーコーティングやプロテクションフィルムの施工は有効な劣化防止対策です。
1
花粉
花粉は球体形状の外殻で覆われ、水に濡れると「ペクチン」と呼ばれるたんぱく質(酸性の多糖物質)成分が排出されます。塗装組織の中へ侵食し乾燥過程で収縮、内部の塗装組織も収縮させます。ダメージは花粉(ペクチン)量と気温、経過時間に比例します。花粉は一年を通して大気中に飛散します。最も飛散量が多く車のダメージが出やすい時期は2~5月です。
《対策》
軽度の場合はポリッシング(磨き)の研磨熱で修復可能です。重度の場合、研磨の一時的な熱ではペクチンの分解に不十分ですが、外気温が高くなる夏場は塗装の温度が70℃前後に達するので自然に修繕されます。花粉のピークの2~5月はできる限り降雨の前後で洗車を実施して花粉を除去、水分の拭き上げはいつも以上に徹底するようにしましょう。
2
鳥糞・樹液
鳥の糞や樹液などの有機物質はアルカリ性または酸性を含みます。付着時間が長いと乾燥過程で塗装内部を膨潤させるのと同時に塗装の架橋結合を切断、紫外線や温度変化、水分が加わることで割れや剥がれが発生します。夏の炎天下の場合には塗装への侵食は早くなります。
《対策》
糞や樹液の膨潤の段階では、加熱で塗膜内へ浸透した水分や有機酸を蒸発させ復元できるので付着を発見次第、速やかに除去します。塗装に割れや剥がれが生じた場合、研磨してもダメージ痕が残るので再塗装以外で修復することは不可能です。コーティングには鳥糞や樹液などの有機ダメージに対し一定の耐性をもつものがありますが、プロテクションフィルムなどで物理的に外的要因から遮断すれば、長期間付着した有機物ダメージから車の塗装を完全に防ぐ事ができます。
3
黄砂
モンゴルや中国などの黄砂地帯から巻き上げられた土壌・鉱物粒子、「黄砂」単体では車の塗装面にダメージはありません。造岩鉱物や、雲母、カオリナイト、緑泥石などの粘土鉱物が多く含まれており、マグネシウムイオンやカルシウムイオンが主成分となった降雨などで水分を含むとその無機成分が水分に溶け込み、ボディ上で乾燥することでイオンデポジットの原因に繋がります。
硫酸イオン、硝酸イオン、アンモニウムイオンなども検出され、人為起源の大気汚染物質を取り込んでいる可能性も示唆されています。
《対策》
ボディーに黄砂が堆積した状態で雨に降られると水中に無機成分が溶け出します。黄砂のピークは3~4月、5月いっぱいも黄砂が飛来します。雨が降った後、又は雨が降る前に洗車して黄砂を除去して対応します。低~中度のイオンデポジット化したものは酸性ケミカルで除去、またはバフ研磨などで修復する事ができます。
4
紫外線
車の塗装面が長期間紫外線を浴びると、特に彩度の高い色(赤や黄色、黄緑など)は色ボケや色褪せといった現象が顕著に現れます。紫外線を浴び続けることで、塗装における分子配列のバランスが乱され汚れも付着しやすくなり、塗装の架橋結合が断裂し表面の滑らかさを失う原因になります。
《対策》
ガラスコーティング等の硬化系コーティングには紫外線吸収領域をもちません。(紫外線に強いという謳い文句はコーティング被膜自体が紫外線を透過する為、劣化しにくいといったメカニズム)紫外線をカットするには自宅の駐車場所へカーポートを設置したりボディカバーで保管する方法や、ボンネットやルーフへプロテクションフィルム(紫外線カット率94%以上)を施工することも有効です。
5
水道水
洗車時に使用する水道水は確実に金属イオン(マグネシウム、カルシウム等)を含んでおり、更にはカルキ(塩素化石灰)が消毒剤として添加されています。塗装面に残った水滴は、内側の表面張力で外周に集まり乾燥することで濃縮され白い輪状のシミとなってボディーに堆積(イオンデポジット化)します。イオンデポジットの発生原因として、洗車時の水分が自然乾燥し濃縮された無機物質が繰り返し同一個所に残留した事に起因します。無機物質が固着を繰り返すし、クレーター上に塗装を痩せさせウォータースポットが出来てしまうと、安全に取り除くことが難しくなります。都市部では水道水のカルキ濃度が高い傾向にあります。井戸水もまた同様に多くの金属イオンやミネラルを含んでいるので洗車への井戸水の使用は厳禁です。
《対策》
軽度のダメージはコンパウンドによる研磨で除去可能です。重度の場合は塗装面をむやみに削らずに酸性ケミカルで除去してから研磨して仕上げる方法が適しています。ボディが高温時の洗車は水分の乾燥が早い為イオンデポジットが発生しやすいので、夏場の洗車はくもりの日や早朝、日没などの時間帯を選びましょう。日頃から洗車後の水分の拭き上げを徹底することが一番の対策です。
7
酸性雨
酸性雨とは大気汚染等によって発生する硫酸イオンや硝酸イオンが強い酸性を示す降雨で、塗装面に残留することで塗装にピンホールや陥没ダメージを与えます。酸性雨が塗装に残留し、水分が蒸発することで酸性イオン成分が濃縮され塗装の架橋結合を切断してしまいます。
《対策》
ピンホールやダメージの深さに合わせて研磨して除去します。深追いしても限りある塗装を無闇に削ることになるので研磨に適切な判断が必要です。酸性雨に対しては硬化系のコーティング(ガラスコーティング・硬化型樹脂コーティング・セラミックコーティング等)又はプロテクションフィルムの施工が有効です。
守山市や草津市にお住まいのお客様を中心にコーティングの施工を行っています
概要
店舗名 | 梅景商店 |
---|---|
住所 | 滋賀県守山市古高町316番地 |
電話番号・携帯電話 | 077-582-2668 090-5971-9444 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 不定休 |
最寄り | 守山駅より車11分 |
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